歯を大切にする習慣を社内文化にするために

「もっと早く歯の定期検診を受けていればよかった」。
これは、シニア世代が健康面で後悔していることの上位にも挙げられる内容です。
歯の健康意識が低かった場合、中高年やシニア世代になると歯を失うリスクが高くなり、食事や会話のしづらさといった日常生活の質を低下させるだけでなく、栄養状態や体調の安定にも悪影響を与えます。
さらに、歯やお口のトラブルを抱えた状態では、集中力や業務効率が低下し、業務全体に悪影響を及ぼします。
このコラムでは、社員が歯を守る行動を自然に続けられる環境づくりと、それを企業文化として根付かせるための工夫をご紹介します。
まずは「歯の大切さ」を見直してみる
歯の健康は、「失って初めて重要性に気付くもの」といわれることがあります。
短期的な視点でみると、歯周病などはほとんど自覚症状がなく、気付いた頃には歯を支える骨が溶けてしまうほど進行している場合もあります。むし歯も同様に、初期段階では自覚しづらいため注意が必要です。これらの問題が進むと、食事や会話がしづらくなるなど、日常生活へ与える悪影響が大きくなります。
さらに、症状の進行により歯を失うと、噛む力が弱まり、食べられるものの種類が限られることで栄養が偏りやすくなります。体調にも関わるため、年齢を問わず注意が必要です。
また、歯の健康は長期的な視点でも重要です。お口のトラブルの放置が積み重なることで、中高年期の生活の質の低下に大きく影響することがわかっています。早い段階からお口の環境を整えておくことは、将来の健康づくりの土台にもなります。

歯の健康は、年齢やライフステージに関わらず、生活の質を支える基本のひとつです。日頃から状態を把握し、予防を続けることで健康上のトラブルを減らし、日常生活や仕事への影響を最小限に抑えられます。
歯の健康は組織の生産性にも影響する
歯周病は、糖尿病や心疾患など全身の疾患と深く関わっており、生活習慣病のリスクを高める要因のひとつとされています。
歯のトラブルがあると、治療や通院による離席が増え、業務効率が下がることがあります。痛みや不快感があれば集中力にも影響し、仕事のパフォーマンスの低下につながります。さらに、重症化すれば医療費の増加や将来的な離職リスクにも関わり、健康保険財政への負担も避けられません。
このように、歯の健康は社員一人ひとりの問題にとどまらず、組織全体の生産性や医療費にも影響します。

習慣を「文化」に変えるための4つの工夫
個人の意識や努力だけでは、健康習慣は長く続きにくいため、企業や健康保険組合が取り組みを後押しし、歯を守る行動が「文化」として定着する仕組みを整えることが重要です。ここでは、実践しやすい4つの工夫をまとめました。
状態を「見える化」する
出張歯科健診や歯周病リスク検査などを活用し、社員が自分の口腔状態を把握できる環境をつくります。
当社では、歯周病リスク検査の「ペリチェック」や「アドチェック」、「Web歯科問診」など状態を見える化するのに最適なツールを提供しています。これにより、数値や結果が視覚的に確認でき、予防行動に取り組みやすくなります。

行動のハードルを下げる
「忙しくて受診の時間が取れない」という声は多くの職場で聞かれます。
就業時間内に受けられる出張歯科健診の導入や、オフィス内での歯磨きセット常備など、行動を支える環境を整えることで、予防行動が日常の中に無理なく取り入れられます。

社内コミュニケーションに取り入れる
健康情報として歯の話題を定期的に発信すると、社員の理解が深まります。
当社では、「歯と口の健康週間」に合わせた社内キャンペーンや、eラーニングによる予防啓発などをご提案しています。社員が継続的に歯の健康について考える機会をつくることで、職場全体の健康意識が高まりやすくなります。

管理者・リーダーが率先して取り組む
習慣を組織文化として定着させるには、管理職やリーダーの行動が欠かせません。
歯科健診への積極的な参加や予防行動を自ら実践する姿勢は、「健康行動を推進する組織」というメッセージとして社員に伝わります。体験談や結果を共有することで、現場の意識が変わり、取り組みの広がりが加速します。

歯を大切にする習慣を文化として根付かせるために
歯を大切にする習慣が社内文化として定着すると、社員の健康維持だけでなく、生産性の向上や医療費の適正化にもつながります。
歯科保健サービスの活用や行動を支える環境づくり、継続的な情報発信といった取り組みを重ねていくことで、歯を大切にする習慣は組織全体に広がりやすくなります。
小さな工夫を継続することが、健康経営を支える基盤となり、企業の持続的な成長にも貢献します。
企業の歯科に関する取り組みをサポートするために、ハミエルでは出張歯科健診、歯周病リスク検査、Web問診ツールの提供など、職場で取り入れやすい仕組みづくりをお手伝いしています。
また、組織それぞれに合った形で、歯を大切にする習慣を文化として根付かせるためのご相談も承っています。お気軽にご相談ください。






















