お口の乾燥(ドライマウス)が職場に及ぼす影響と対策

最近、社員の集中力低下や会議中の咳払いが気になることはありませんか?
こうした状況の背景には、「お口の乾燥」が関係している場合があります。お口の乾燥は「ドライマウス」ともいわれ、近年では高齢者だけでなく、働き盛りの世代にも増えています。
本記事では、企業が見逃しやすいドライマウスの悪影響と、その対策についてお話しします。
ドライマウスは、従業員の生産性や健康経営にも関係するため、企業として早めの気付きと対策が重要です。
ドライマウスとは
ドライマウスとは、唾液の分泌量が低下し、お口の中が乾燥した状態を指します。医学的には「口腔乾燥症」と呼ばれ、単に「喉が渇く」といった一時的な状況とは異なります。
ドライマウスが続くと、お口の中がネバつく、話しづらい、水分が手放せないといった不快感が現れやすくなります。さらに、集中力の低下やコミュニケーションへの悪影響などもありますが、自覚症状が軽いために見過ごされてしまいがちです。

ドライマウスは高齢者に多い症状と思われがちですが、現代の職場環境そのものが唾液の分泌量を低下させやすいことから、40代や50代などの働き盛りの世代でも増加しています。
まずは「お口の乾燥」が、日常生活や仕事にも悪影響を及ぼす状態であることを正しく理解することが重要です。
ドライマウスの原因
ドライマウスは、多くの場合、複数の要因が重なり合って発症・進行します。
加齢による唾液分泌量の低下
年齢を重ねると、噛む・飲み込む・話すといったお口の機能全体が少しずつ変化していき、唾液を分泌する唾液腺の働きも弱くなることがあります。
こうした変化は強い自覚症状を伴わない場合も多く、働き盛りの世代は日中の業務に追われる中で気付かないまま、お口が乾きやすい状態が続いてしまうことも少なくありません。
薬の副作用
日常的に服用している薬が、唾液分泌を抑制している場合があります。
抗アレルギー薬や抗不安薬、血圧治療薬などは、仕事中も服用が必要な場合があり、お口の乾燥を招く要因となることがあります。
複数の薬を併用している場合ほど影響が出やすく、業務中の状況と合わさって、より強く乾燥を感じる場合があります。

生活習慣やお口の使い方の変化
日常の何気ない習慣も、ドライマウスの原因となります。
- 口呼吸の習慣
- 接客やカスタマーセンターなど会話が長時間続く環境
- 会話や発声の機会不足
- 水分の不足
このような生活習慣が続くことで、唾液を分泌させる刺激そのものが減少し、乾燥しやすい状態が定着してしまいます。
ストレス・緊張による自律神経の乱れ
唾液の分泌は、自律神経によってコントロールされています。
強い緊張状態や慢性的なストレスが続くと、交感神経が優位になり、唾液の分泌が抑えられます。
仕事中は問題を感じなくても、「会議中にお口の中が乾く」「人前で話すと急に話しづらくなる」といった形で現れることがあります。

ドライマウスが引き起こす悪影響
唾液が不足することで、集中力の低下、飲み込みづらさ、口臭の増加など、日常や仕事にさまざまな悪影響を及ぼします。
ドライマウスによる悪影響は、一つひとつは小さく見えても、積み重なることで業務パフォーマンスやコミュニケーションの質を下げる要因となることがあります。
唾液の役割
唾液は、話す・食べる・飲み込むといった日常動作を支えている存在です。
十分な量の唾液が分泌されていると、舌の動きが滑らかになり、発音や会話、嚥下を無理なく行うことができます。また、唾液には汚れや細菌を洗い流す働きもあり、お口の中の環境を保つ役割も担っています。
この唾液が不足すると、お口の中が乾きやすくなるだけでなく、話しづらさや飲み込みにくさ、口臭の増加といったトラブルの発生につながるため注意が必要です。
お口の乾燥が集中力を奪う
唾液が不足し、お口が乾燥すると舌の動きがスムーズではなくなります。これによって、以下のような「生産性の低下」が発生します。
- お口が気になって集中できない
- 水分を頻繁に取りに行くことで作業が中断される
- 舌がスムーズに動かず話しづらい
脳が「乾いている」と常に信号を出している状態では、仕事に没入しづらくなり、結果として生産性の低下につながります。

誤嚥リスクの上昇
唾液は、食べ物を飲み込みやすくする潤滑剤の役割も担っています。
そのため、ドライマウスになると「飲み込みづらい」「咳き込む頻度が増える」「むせやすい」などの症状が現れます。特に、咳き込みは周囲の集中力を削いでしまい、職場全体の業務効率に悪影響が生じます。
口臭によるコミュニケーションでのデメリット
お口の乾燥は細菌の繁殖を促し、口臭増加の大きな原因となるため、以下のようなコミュニケーション面での損失が発生します。
- 話すことを避ける
- 自己評価が下がる
- 接客・営業の質が下がる
特に営業職や接客業などの「声や会話が仕事の入口になる職種」では、本人も気付かないうちにパフォーマンスが落ちている場合があります。

職場でドライマウスが起きる原因
職場の環境には、お口の乾燥を招きやすい要因がいくつも重なっています。空調の使用によって室内の湿度が下がりやすく、長時間のマスク着用が続くことで、お口の中は乾燥しやすい状態になります。
また、業務中の緊張やストレスは自律神経のバランスを乱し、唾液の分泌量を低下させる要因となります。デスクワークに集中することで気付かない間に、口呼吸が習慣化してしまうケースも少なくありません。
こうした要因は一つひとつを見ると些細に思えるかもしれませんが、日々の業務の中で積み重なることで、いつの間にか個人の不調にとどまらず、「職場全体に共通する課題」として表面化していくことがあります。
今日からできる対策
対策は難しいものではありませんが、「継続できる仕組み」が重要です。
- 水分補給をこまめに促す
- 加湿器やデスク用加湿器の活用
- 口呼吸チェック
- 姿勢改善
- 歯科健診で唾液量の低下を早期に把握
- 唾液腺マッサージやガムの咀嚼を習慣化
オフィス全体の「乾燥対策」を制度的に取り入れる企業も増えています。

セルフチェックリスト
口呼吸になっていないか、セルフチェックで意識することも大切です。
- 気付くとお口が開いている
- 仕事中など集中しているときにお口が開きやすい
- お口の中が乾燥しやすい
- 喉が乾きやすく、咳払いが増えた
このような状態に当てはまる場合、口呼吸になっている場合があります。
また、社員の方へ向けたセルフチェックシートもダウンロードできますので、ぜひ社内でご活用ください。
口呼吸セルフチェックシート ダウンロード
まとめ
ドライマウスは静かに広がる職場のリスクであり、集中力の低下・誤嚥リスクの増加・口臭の発生などによる業務への悪影響を及ぼします。こうしたお口の環境の変化を個人任せにせず、企業として「見える化」し、早期にケアできる体制を整えることが、健康経営の一環として非常に重要です。
株式会社ハミエルでは、ドライマウスにも関連するお口のリスクを総合的にサポートしています。
- 唾液量のチェック
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