企業の歯科保健、何から始める?「いい歯の日」を健康経営に活かす方法

11月8日は「いい歯の日」です。「11(いい)8(歯)」の語呂合わせから、日本歯科医師会が1993年に制定した記念日で、歯とお口の健康について考える機会として、全国でさまざまな啓発活動が行なわれています。
歯科医院や自治体による取り組みという印象が強い「いい歯の日」ですが、実は健康保険組合・企業さまにとっても活用しやすい記念日です。健康診断を通じて、従業員の皆さまが健康について考える機会はありますが、「お口の健康」について職場で話題になる機会は、そう多くありません。
しかし、お口の健康は食事、会話、睡眠、生活習慣、さらには働きやすさにも関わります。むし歯や歯周病は、痛みなどの自覚症状が少ないまま進行することもあり、気づいたときには治療に時間がかかるケースもあります。だからこそ、11月8日をきっかけに、従業員の皆さまが自分のお口の状態を振り返り、必要に応じて歯科健診や歯科受診につなぐことが大切です。
「歯の話をする」ことが健康意識を高める第一歩
職場で歯科保健に取り組むと聞くと、出張歯科健診や歯科セミナーなど、ある程度まとまった施策を想像される担当者さまも多いかもしれません。しかし、最初から大掛かりな準備を行う必要はありません。
たとえば、11月8日に合わせて、社内イントラネットやWeb社内報、メールマガジンで「いい歯の日」を紹介するだけでも、従業員の皆さまが普段意識していないお口の健康について考えるきっかけになります。

たとえば、次のような問いかけが有効です。
- 最近、歯科医院に行ったのはいつですか?
- 歯磨きに加えて、歯間ブラシやデンタルフロスを使っていますか?
- 歯ぐきから出血することはありませんか?
- 朝起きたときに、お口のねばつきや口臭が気になりませんか?
- 忙しさを理由に、歯科受診を後回しにしていませんか?
健康意識を高めるポイント
専門的な情報を一方的に伝えるよりも、身近な問いかけのほうが、自分自身の生活に置き換えて考えてもらいやすい場合があります。企業の健康施策では、「正しい情報を届けること」と同じくらい、「自分ごととして考えてもらうこと」が重要です。
11月8日を出張歯科健診のきっかけに
より具体的な取り組みとしては、「いい歯の日」に合わせた出張歯科健診の実施があります。出張歯科健診は、従業員の皆さまが勤務先などでお口の状態を確認できるため、忙しくて歯科医院に行く時間を取りにくい方にも参加してもらいやすい方法です。
一般的な健康診断に比べると、歯科健診は定期的に受ける習慣がない方も少なくありません。「痛みがないから大丈夫」「仕事が忙しいから」と後回しにされやすいことも、お口の健康課題が見過ごされる理由のひとつです。
一方で、むし歯や歯周病は、自覚症状がない段階から進行することがあります。特に歯周病は、歯ぐきの腫れや出血、プラークの蓄積など、日常生活の中では見逃されやすいサインから始まることもあります。そのため、症状の有無だけで判断せず、定期的にお口の状態を確認する機会を設けることが大切です。
「11月8日はいい歯の日です。今年は職場で、お口の状態を確認してみませんか」
このように記念日を受診の理由として活用すると、これまで歯科健診に参加していなかった従業員の皆さまにも、新しい接点をつくることができます。
歯ブラシの配布も、健康経営の施策になる
予算や社内体制の都合で、すぐに出張歯科健診を行うことが難しい場合は、歯ブラシ、歯間ブラシ、デンタルフロスなどのオーラルケア用品を配布する方法もあります。
もちろん、オーラルケア用品を配布するだけでお口の環境が大きく改善するわけではありません。しかし、「いい歯の日に歯ブラシを受け取った」という小さな体験が、日々のセルフケアを振り返るきっかけになります。

さらに、配布時に次のような短い情報を添えると、単なるノベルティではなく、健康啓発として位置づけやすくなります。
- 歯周病は自覚症状が少ないまま進行することがある
- 歯磨きだけでは、歯と歯の間の汚れが残りやすい
- 歯間ブラシやフロスの使用が、プラーク対策につながる
- 定期的な歯科健診が、早期発見・早期治療のきっかけになる
このような取り組みは、事業所が複数ある企業さまや、健康施策への参加率に課題を感じている健康保険組合さまにも取り入れやすい方法です。
セミナーは「歯磨き指導」だけで終わらせない
「いい歯の日」に合わせて、歯科医師や歯科衛生士によるセミナーを開催するのも有効です。Web会議システムやZoomを活用すれば、複数拠点や在宅勤務の従業員の皆さまにもセミナーを受講していただけます。
その際、テーマを「正しい歯磨き方法」だけに限定する必要はありません。たとえば、次のようなテーマは、健康経営との相性がよく、歯科に対して関心が高くない方にも参加してもらいやすい内容です。
- 歯周病と全身の健康
- 口臭と職場のコミュニケーション
- 睡眠とお口の環境
- ストレスと食いしばり
- タバコと歯ぐきの健康
- 忙しい人のためのオーラルケア習慣

「歯の話」だと思って参加したら、睡眠、ストレス、生活習慣、コミュニケーションにも関係していた。そう感じてもらえる設計にすることで、歯科保健を単独のイベントではなく、健康経営の一部として受け止めてもらいやすくなります。
啓発して終わりにせず、次の行動につなぐ
- 「いい歯の日」に合わせて社内啓発を行う
- 希望者向けに出張歯科健診を実施する
- 健診結果に応じて、歯科受診を案内する
- 受診者さまの傾向や課題を集計する
- 次年度の健康施策に反映する
このように段階的な流れを設計することで、「いい歯の日」は一日限りのイベントではなく、継続的な歯科保健活動の入口になります。
特に健康保険組合・企業さまが歯科健診を行う場合は、受診者数だけでなく、どの年代のリスクが高いのか、歯周病やむし歯の傾向はどうか、健診後の受診につながっているかといった視点で振り返ることが重要です。結果を次年度の施策に活かすことで、歯科健診は「受けてもらうためのイベント」から、「職場の健康課題を把握し、改善につなぐ取り組み」へと変わっていきます。
11月8日を、職場でお口の健康について話す日に
「いい歯の日」は、特別な準備をしなければならない日ではありません。社内コラムを一本掲載することから始めてもよいですし、出張歯科健診、オーラルケア用品の配布、専門家によるセミナーなど、自社の状況に合わせた方法を選びましょう。
大切なのは、従業員の皆さまが無理なく参加できる形にすることです。そして、「何人が参加したか」だけでなく、「何に気づいたのか」「その後の受診やセルフケアにつながったのか」「職場全体でどのようなお口の課題が見えてきたのか」を確認することです。
お口の健康は、毎日の食事や会話、働く上での快適さにも関わります。だからこそ、歯科保健は福利厚生の一環にとどまらず、健康経営を支える大切なテーマの一つです。
当社では、健康保険組合・企業さまの課題や実施体制に合わせて、出張歯科健診をはじめとする歯科保健サービスを提案します。従業員の皆さまのお口の健康意識を高め、継続的な健康づくりにつなげるために、11月8日の「いい歯の日」を活用してみてはいかがでしょうか。













