インフルエンザ・感染症シーズンに見直す職場のオーラルケア

健康経営につなげる、企業の歯科保健サービス活用法
秋から冬にかけては、インフルエンザをはじめとする感染症への備えが重要になる季節です。健康保険組合・企業さまでは、手洗い・手指衛生、換気、予防接種、体調不良時の対応などについて、従業員の皆さまへ案内する機会が増えるのではないでしょうか。
こうした感染症対策とあわせて見直したいのが、お口の健康です。お口の状態は、食事や会話、睡眠、仕事中の集中力など、日々の生活の質に関わります。歯や歯ぐきの不調を感じながら勤務を続けることは、従業員の皆さまにとって負担になり得ます。
健康経営を推進するうえでは、病気になってから対応するだけでなく、従業員の皆さまが自分の健康状態を知り、日常的な健康行動を続けられる環境をつくることが大切です。その施策の一つとして、オーラルケアや出張歯科健診を取り入れる意義が高まっています。
感染症対策とオーラルケアは、役割を分けて考える
まず押さえておきたいのは、歯磨きだけでインフルエンザなどの感染症を予防できるわけではないということです。
感染症にはそれぞれ感染経路があります。予防には、手洗い・手指衛生、適切な換気、必要に応じたマスクの着用、予防接種など、基本的な対策が重要です。
一方、オーラルケアは、むし歯や歯周病などの口腔トラブルを防ぎ、お口を清潔に保つための日常的な健康管理です。両者を混同せず、それぞれを健康を守るための習慣として位置付けることが大切です。

日頃から心掛けたい基本的なケアには、次のようなものがあります。
- 毎日の丁寧な歯磨き
- デンタルフロスや歯間ブラシを活用した歯間清掃
- 歯ぐきからの出血、腫れ、痛みなどを放置しないこと
- 定期的に歯科医院を受診し、お口の状態を確認すること
- タバコや食生活など、生活習慣を見直すこと
感染症が気になる時期は、従業員の皆さまが健康習慣を見直しやすいタイミングでもあります。社内の健康情報にオーラルケアを加えることで、お口の健康への関心を高めるきっかけをつくれます。
健康経営において、お口の健康が重要な理由
企業の健康施策では、運動、食生活、睡眠、メンタルヘルスなどが重点テーマになりやすい一方で、お口の健康は後回しになりがちです。
しかし、歯の痛みや歯ぐきの違和感、噛みにくさなどは、仕事中の集中力や食事の楽しみ、会話への意欲にも影響することがあります。また、歯周病をはじめとする口腔疾患と全身の健康との関係も、広く知られるようになっています。
健康経営では、従業員の皆さまが心身ともに健康に働き続けられることが、組織の活力や生産性を支える基盤になります。そのため、からだ全体の健康を考える視点の中に、お口の健康を位置付けることが重要です。
特に歯科保健では、「痛くなったら受診する」だけではなく、症状がない段階から定期的に状態を確認し、必要なケアにつなげることが求められます。健康保険組合・企業さまが歯科保健サービスを提供することは、従業員の皆さまが自分のお口の状態に気付き、健康行動を始める後押しになります。

企業・職場で取り組めるオーラルケア施策
職場で歯科保健を始める際、最初から大規模な制度をつくる必要はありません。既存の健康施策や情報発信の仕組みを活用しながら、段階的に取り組めます。
社内発信にオーラルケア情報を加える
感染症対策や冬の体調管理を案内する際に、歯磨き、歯間清掃、定期的な歯科受診に関する情報を加える方法です。
社内メール、イントラネット、社内報、健康情報の掲示、Web会議システムを活用した健康セミナーなど、すでにある発信手段を生かせます。短い情報発信でも、普段は歯科保健に関心が向きにくい従業員の皆さまに届く可能性があります。
歯科衛生士によるセミナーを実施する
オーラルケアの方法や、むし歯・歯周病の予防、歯科受診の目安などを、専門職から分かりやすく伝える機会を設ける方法です。
オンラインで開催しやすく、複数拠点を持つ企業さまにも取り入れやすい施策です。セミナー後に質問を受け付ければ、従業員の皆さまが日頃抱えている疑問の解消にもつながります。

出張歯科健診で「自分のお口を知る」機会をつくる
情報提供だけでは、行動の変化につながりにくい場合があります。そこで有効なのが、職場で受けられる出張歯科健診です。
出張歯科健診では、提携医療法人と連携しながら、従業員の皆さまが自分のお口の状態を確認する機会をつくります。受診のために歯科医院へ行く時間を確保しにくい方にとっても、受診のきっかけになり得ます。
出張歯科健診を通じて、従業員の皆さまがむし歯や歯ぐきの状態、セルフケアの課題に気付くことで、その後の歯科受診や日々のオーラルケアにつなげやすくなります。
歯科健診を「実施して終わり」にしないために
出張歯科健診は、実施回数や受診率だけで評価するものではありません。健康経営の施策として活用するには、実施後の振り返りと次の行動が重要です。
例えば、適切な情報管理を前提として組織全体の傾向を把握すれば、次のような施策を検討できます。
- 歯周病に関する啓発を強化する
- 歯科受診を促す情報を充実させる
- 若年層や特定の事業所に向けたセミナーを行う
- オーラルケア用品の配布や社内キャンペーンを行う
- 翌年度の出張歯科健診や健康施策の内容を改善する
個人の健康情報を扱う際には、利用目的を明確にし、適切に管理することが欠かせません。そのうえで、集計した傾向を健康施策の改善に活用すれば、歯科健診を一度きりのイベントではなく、継続的な職場の歯科保健につなげられます。

秋から冬に始める、職場の歯科保健
取り組みを進める際は、「情報提供→お口の状態確認→振り返り」の流れを意識すると、単発の啓発で終わりにくくなります。
- 感染症対策や冬の健康管理とあわせて、オーラルケア情報を発信する
- セミナーや出張歯科健診を行い、お口の状態を知る機会をつくる
- 受診状況や組織全体の傾向を振り返る
- 次年度の健康経営施策や歯科保健サービスへ反映する
当社は、健康保険組合・企業さまの課題や実施環境に合わせ、出張歯科健診をはじめとする歯科保健サービスを提案いたします。従業員の皆さまの健康意識を高め、働きやすい職場づくりにつなげるために、オーラルケアを健康経営の一つとして取り入れてみてはいかがでしょうか。













